近藤等則「地球を吹く」日本版

自然と共鳴聞こえた静寂 トランペット奏者の近藤等則(としのり)(65)=写真=が、自然の中で一人で即興演奏をする映像「地球を吹く」の日本版を完成させ、各地で上映会を行っている。 1990年頃はCM出演などメディアに多数露出した近藤だが、ここ20年ほどは自身の感性に忠実な音楽活動に没頭している。 「地球を吹く」は93年、イスラエルのネゲブ砂漠からスタート。アンデス、ヒマラヤなどの大自然を舞台に、自身が作った打ち込み音源をバックに即興演奏をする。ビデオカメラで演奏風景と雄大な光景を収め、DVDなどにまとめている。 活動は、近藤が「20世紀の音楽」に見切りを付けたことがきっかけだ。「20世紀の音楽は大都市の音楽。ジャズやロックも都市で演奏され、消費された。それは、奏者と観客だけの関係だが、ヨーロッパの教会や古いホールの天蓋に天使が描かれているように、それ以前は神も見ているという三角形の関係があった」 21世紀の音楽を求め、ひらめきで大自然に出た。誰かに聞かすのではなく、自分のために自然との共鳴を目指した。すると、「心が感動するというレベルじゃない、60兆個の細胞が振動する」体験だったという。 活動は極めて非効率的。現地に行っても、気に入らなければ吹かない。天候に左右され、日の出や日没の最も美しい時間はほんのわずかだ。「地球を吹く in Japan」も2007年から取り組み、昨春、85分の映画として完成、年末から上映会を始めた。愛媛・来島海峡の渦潮、熊本・阿蘇山の雲海などの自然美と向き合う演奏は、地球のエネルギーを音に変換しているようだ。出羽三山では豪雪の中、山伏が吹くホラ貝と共演した。 「日本の自然は海外に比べてスケール感はないが、命の細やかさを感じた」と話す。割れんばかりの音圧を放つ近藤の音も、日本の自然の前では優しい。また、日本の自然の中で悟ったのが「静寂が聞こえてくる」ということ。「自然では、人間の可聴範囲外の音が豊かに鳴り、精神にいい影響を与える。『雪がしんしんと降る』など日本語には擬音語が多いが、これぞ自然の中で生かされてきた日本人の感受性の豊かさだ」と話す。 21日、東京・青山のCAYで上映会を開く。(電)03・3498・5790。各地での上映会の開催も募集中(http://www.toshinorikondo.com/)。(2014年2月18日読売新聞)

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